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各種投資被害の解説
◆仕組債・仕組預金
1仕組債・仕組預金とは
 仕組債とは「米ドル円為替レート連動債」、「期限前償還条項付米ドル建債」、「他社株転換社債(EB債)」などの名称で呼ばれる社債の一種、仕組預金は「満期繰上特約付き定期預金」などの名称で呼ばれる預金の一種です(各銀行・証券会社で、様々な名称で販売しています。)。
 オプション(商品や外貨などを特定の条件で売買する権利のことで、デリバティブと呼ばれる金融技術の一種)を組み込むことで、顧客がオプションの売り手として受け取る「オプション料」を金利などに上乗せして表面上高金利となっている商品が多くあります。この「オプション料」から販売金融機関が手数料を受け取っていますが、顧客にはこのことを知らせずに、表面上の金利のみが示されています。
 中途解約が原則として不可(中途解約する場合は高額の手数料が徴収される。)となっている、仕組預金の場合には満期到来前に銀行の判断で繰上償還できる特約が付いていることなどが特徴です。
 また、受け取れる金利の利率や繰上償還の条件が為替や金利の変動と関係(連動)する特約が付く、償還期間中に株価額が一定額(ノックイン価額)より下がると元本が金銭ではなく価格の下がった株式で戻る場合があるなど、仕組みやリスクを理解するのが難しい複雑な商品もあります。
2被害の実態
 実際の被害事例としては、以下のような例があります。
 【為替連動債(仕組債)】
 銀行から、証券会社の子会社の発行する「円建て・累積クーポン型早期償還条項付・米ドル円為替レート連動債(投資期間最長約30年)」という商品を勧誘されて額面1000万円を申込。
 1年目は10%の利息(クーポン)が付くものの、2年目以降は、約30年後の最終償還日まで複雑な計算式により求められる円ドル為替レートに連動して利息が付くことになっており、一定のレートで高金利が続けば、早期償還を受けられるが、円高が進むと、利息が全く付かない特約がついていた。しかし、相談者は為替レートについての特約を十分理解することなく、利息の高さを銀行員に強調されて申し込んでしまった。
 ところが、申し込んで、2年後には急速な円高が進んで利息が全く付かない状態が続いている。早期償還を受けられない場合、最終償還時の30年後には相談者は80代になっている。
 1年目はクーポンとして100万円もらったものの、その後は、円高が進み、利息がもらえないまま、解約しようとしたところ、中途解約はできないと言われ、解約にも応じてもらえず困っている。
 【二重通貨預金(仕組預金)】
 妹が亡くなって、相続人となったが、妹の預金の中に、満期時の為替レートによって円が外貨で償還される特約のついた預金があり、このままでは外貨で償還される為替レートだったので、相続後に、中途解約したところ、元金の7割程度しか戻らなかった。妹は高齢で、為替取引や投資取引の経験など全くなかったので、このような預金のリスクを理解して申し込んでいたのか疑問。
3被害にあったら
 弁護士に依頼して、訴訟を提起する方法の他、販売機関が銀行・証券会社の場合には紛争解決機関にあっせん申立をするなどの方法もあります。
4裁判例
 【大阪地裁平成22年3月26日判決】
 私募債である仕組債の売買について、証券会社の担当者の説明義務違反を理由とする損害賠償請求が認められた事例。
 仕組債について、その仕組みが非常に複雑で、リスクに比して利益が大きくないこと、そもそも経済的な合理性があるとはいい難く正当性にも疑問があること、流通性にも疑問があることなどを指摘し、ハイリスクで賭博性の高い商品であると判示。ただし、商品性から直ちに違法性を認定しているわけではなく、原告の適合性にそもそも疑問があり、そのような者には特に誤解を与えないよう説明をする必要があるとして説明義務違反を認定。
 仕組債の商品性についてはリスクの説明にとどまらず、そのリスクに比した利益の程度や経済的合理性、さらには市場取引が欠落していることによる流通性の程度等について顧客に説明する必要があるとされています。まさに、仕組債はオーダーメイド型であるために顧客が「理解できる」程度の説明義務が求められるとも言えます。
 【大阪高裁平成22年10月12日判決】
 私募債である仕組債の売買について、顧客が「仕組債の権利内容に誤解があり、リスクについて理解しないまま」契約をしたと認定して錯誤により売買契約を無効とした事例。
 この判決では、当該仕組債そのものについて、そもそも「取引の公正さに欠けていた可能性が高いといえよう」と評価している。
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