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札幌地方裁判所平成15年5月9日判決
掲載 金融・商事判例1174号33頁、先物判例集34巻246頁、
    最高裁判所ホームページ
相手方業者 コスモフューチャーズ株式会社
取引種類 外国為替証拠金取引(ワールドワイドマージンFX・WWMFX)
【判決の内容】
 原告は、札幌市内に居住する40代の女性で相手方業者札幌支店にWWMFXのパートタイマーの電話勧誘員として入社後、営業課長から「高金利がつき、いつでもおろせる」などと勧誘を受け、WWMFXの内容を全く理解できないまま、外貨預金の一種と信じて、3回に計650万円を支払い、その後、90万円の返金を受けたものの560万円の損失となった。
 判決はWWMFXが極めてハイリスクハイリターンな商品で、為替相場の変動予測の必要があり、日々生じるスワップ金利の仕組は難解で、取引内容自体の理解が容易ではないし、取引報告書は英文であって、この点でも取引内容を把握しにくい。このような特性を有する商品を一般消費者に提供する被告(並びに被告従業員)には証券取引や商品取引において求められている注意義務と同様の義務が社会的に相当な方法で勧誘をすべき注意義務として課せられていると解すべきであり、本件では説明義務が尽くされておらず、また、取引は全て一任であるが、ドル買いとドル売りを同時に保有する無意味かつ有害な両建取引を行ったなどの点に被告従業員に違法行為が認められ相手方業者には使用者責任が認められる。
 なお、被告の過失相殺の主張に対しては、原告がWWMFXについて外貨預金の一種と信じて取引を開始・継続したこと、WWMFXに適さない者を勧誘した可能性が十分に考えられる点などから過失相殺を行うことは適当でないとして否定した。
【コメント】
 外国為替証拠金取引に関する日本で初めての判決であり、勧誘業者の説明義務違反や両建を無意味かつ有害であるとしたうえ、過失相殺を否定した点で意義がある。
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